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人工関節(THA・TKA)の術後の生活

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術後の日常生活

術後の生活は、どの関節を手術をしたか、どんな方法で手術をしたかで大きく変わってきます。股関節は術後比較的早くに痛みがなくなります。また、違和感も少なく、手術をしたことを忘れて日々生活されている方が多いです。反面、膝関節は股関節よりも少し術後の痛みが長引きます。術後だいぶ経っても、正座ができるほどは曲がらなかったり、階段昇降で不安感が残ったりすることもあります。また、同じ人工股関節の手術でも、後方からのアプローチでは股関節を深く曲げないようにしないといけなかったりします(人工股関節の最少侵襲手術を参照)。逆に、筋肉を切らないような最少侵襲手術(MIS)という方法で人工股関節を行えば、手術した直後から制限なく動いてよくなります。

私は、膝も股関節も筋腱を切らない、MISで行っているので手術直後から積極的に動かしてもらっています。旅行や運動など、手術するまえには痛くて我慢していたことを、どんどん行ってもらいたいです。手術後にダンスやバレーボールを楽しんでいる人もいますし、ジムのようなところでどんどん運動をしている人もいます。高齢の方でスキーをされる方もたくさんいます。手術で痛みを取って、人生を楽しめるようになります。

人工関節置換術を受けて、「買い物やバス旅行も、行けるようになりました」「友達と同じスピードで歩けるようになりました」と報告してくれる方が多いです。

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術後の運動

手術後に運動を行うことは健康な体を維持するために、とても大切なことです。では、どんなスポーツがよくて、どんなスポーツが控えた方がよいのでしょうか。それを決める基準となっているのが、脱臼とポリエチレンの摩耗です。

 股関節では、股関節の向きによっては、ボールとライナーが外れる脱臼ということが起こってしまいます。同じ人工股関節でも、手術の方法によって脱臼の起こりやすさは全く違います。私はMISという筋肉を切らない方法をとっているため、手術後もどんな姿勢でもとれます。ご自分の手術をしてくれる医師に確認してみてください。

ポリエチレンの摩耗は、強い衝撃が頻回に加わる場合にはポリエチレンでできているライナーが早くすり減ってしまうことがあります。そのため、以前ではジョギングやトライアスロンなどのスポーツは勧められないとなっていました。しかし、ポリエチレンの材質が大きく改良されたため、近年はほとんど心配なくなっています。

 私は手術した患者様に、格闘技とラグビーなどのコンタクトスポーツ以外はすべて許可しています。格闘技などは、ご本人の競技レベルなども含めて、ご本人と相談しております。

柔軟体操

手術後に周囲の筋肉や靭帯が硬くなってしまうと、痛みが出てきたりします。そのため、柔軟体操はすごく大切です。

必要な柔軟体操は患者さんごとに少しずつ異なりますが、まずは1日1回ラジオ体操をすることをお勧めしています。必要な柔軟体操がすべて含まれており、効率よく行うことができます。

​ただし、人工股関節では手術の方法によって、取ってはいけない姿勢があるので主治医に聞いてからにしてください

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人工股関節とストレッチ.png
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受診は定期的に

人工関節を入れた場合は、手術から何年たっても定期的に受診していただきます。受診の頻度は1年に1回や、5年に1回など、間隔があきますが。もし、人工関節に不具合が生じそうな場合、事前に察知することで未然に防げたり、小さな手術で済ませることができるからです。

もし引っ越しなどで手術した病院に通えない場合は、紹介状を書いてもらい、新しい病院への通院も検討しましょう

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海外旅行へ行かれる方へ

人工関節は、空港の金属探知機で反応することがあります。国内では人工関節が入っていることを口頭で説明していただければ大丈夫です。海外で、英語で説明するのに不安な場合は、英語の診断書を作成します。

また、手術後のレントゲン写真をプリントアウトして持参していただくといいかもしれません。

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